ゴセシケラボ

合成神経細胞群塊研究所電信網分室。嘘。文庫本とか漫画とかアニメとか。あと『セブンズストーリー』。

4~6月期のアニメについて

Cutie Honey Universe
初回からずっと、こちらの見たかったものとは微妙に違うものを見せられ続け少々困惑していたが、最終回で「シスタージルのジルメラン」とか「1001匹キューティーハニー大行進」というたいへん面白い絵ヅラを見せてくれたのでオールオッケーです。

『Butlers ~千年百年物語~』
逆にこっちは、それまでなんとかぎりぎり頑張っていたのに最終回で大崩れ。圧倒的に作画力の足りてないシュールなアクションシーンに涙が止まらなかった。途中の話数で作画が低調ってのはよくあるけれど、最終回でコレはあんまりないよなあ。『咎狗の血』以来?
あと、どうしても気になるのはエンディングのアニメ。あのコアラは絶対笑わせようとしてる。

ニル・アドミラリの天秤
これはもう「ニル・アドミラリの天秤」というタイトルを見た瞬間「“ニル・アドミラリの天秤”てなんやねん?」思ってしまったため、ニル・アドミラリの天秤がどんなものか判明するのを楽しみに毎週『ニル・アドミラリの天秤』を視聴していたのだが、劇中ではいっこうにニル・アドミラリの天秤らしきものは登場せず、そもそもニル・アドミラリの天秤という言葉が使われる事さえなく、結局ニル・アドミラリの天秤とはなんだったのか、明らかになるどころかほのめかされる事もなく『ニル・アドミラリの天秤』は最終回を迎え粛々と幕を閉じてしまったのだった。もうお前ニル・アドミラリの天秤て言いたいだけやん。隣のニル・アドミラリの天秤傾けたのは隣のニル・アドミラリの天秤傾けたかったから。

これは久世ツグミ、滑舌の物語。

ゴールデンカムイ
なんていうか、ジャンルとしての宝探しものの面白さはひと欠片もなくて、キャラの面白さだけで押してくるところはいっそ清々しい。普通はね、1クールもかけてお話を進めたんなら、主人公たちはお宝の情報をこのぐらい手に入れていてー、一方敵対勢力は主人公たちよりこのぐらい先行していてーとか、それぞれの進捗状況を明示するぐらいはしておくものですよ。そういうの一切ないからね、そこがすごい。すごいか?
まあそもそも原作が長く続いてて、いっこうにお宝を見つける気配が感じられないっぽいから、アニメもそれに合わせるしかないんだろうけど。

LOST SONG
第一話のギャグとシリアスの配分具合を見て、『コメットルシファー』とか『フラクタル』ってこんな感じだったよね?などと思ったんですが、その第一印象は間違ってませんでした。たしか『コメットルシファー』も物語のクライマックスで大きな星かなんか墜ちてきたはず。こういう作品って、定期的に出てくるものなのね。
ただ、中盤で明らかにされる叙述トリック的なアレは素直に驚いた。そう来たか!そういうやり方もありなんだ!て。アレはよく思い付いたもんだなあとホント感心させられたけど、反面、なんらかの禁則事項、例えばアニメ製作におけるノックスの十戒みたいなものに抵触してそうな気もする。

BEATLESS
放送中に挟み込まれる総集編の数が多すぎた。そういう世界記録に挑戦してるのかと思った。あげく、物語のお尻が2クールに収まりませんでしたって、笑うしかねえw

美男高校地球防衛部 HAPPY KISS!』
初回をぼんやり見ていたら、前シリーズと同じ舞台だけど時系列的には直接繋がってない?という疑問が浮かんできて、その疑問についていろいろ考えていたところ、そういうギミックはプリキュアあたりに逆輸入されたら面白そうだなあという試論が出てきました。だって面白くないですか?次のプリキュアはまたベローネ学院が舞台とか。

ヲタクに恋は難しい
原作は知ってたけど当然未読で、アニメに対してもぶっちゃけ特にどういう期待もせずに視聴したところ、うん、特には何も。
例えば恋愛ものによくある三角関係だのNTRだののドロドロが見たかったわけではないけれど、それでもいくらかは第三者の絡むトラブルでバタバタするものと予想していたけど思いっきり肩透かし。これなら『3D彼女 リアルガール』『ネト充のススメ』の方がまだオタクの恋愛ものとしてちゃんとしてた。
つうか、高校生とか未成年じゃなく社会人同士が主人公なんだから、エロいことをするとかしないとか、したいけどできないとか、したくないわけじゃないけど相手の性癖知ってるから……ねえ?とか、そのくらいのとこまで踏み込んで欲しかったなあ。
それは別にしても、会話で飛び交うオタク用語とかネットスラングがキツかった。特に主人公・男。ないわー、アレはないわー。

メガロボクス
初回の視聴で得られた期待値が今期で一番高かった本作だったんだけど、話が進むにつれ、思ってた方向とはちょっとズレていって、それでも物語が佳境に入るあたりまでは納得のいく流れだったんだけど、最後の一戦がなあ。あの決着の付け方は、ちょっとどうかなあ。ねえ。
そこへ至るまでの物語が生きるか死ぬかのギリッギリなんだし、原案である『あしたのジョー』のジョーと力石の決着をふまえると、もう少しシビアでビターな終わり方でもよかったと思う。いやむしろそうでないと。
やっぱ、続編とか考えちゃったのかなあ。

多田くんは恋をしない
ヒロインのテレサが初回の時点で『邦キチ』の映子さんにしか見えなくなってしまったため、以来『多田恋』を視聴しながらも脳内の一部では『邦キチ』が同時上映されていました。
そのせいか、『邦キチ』のコミックスにはきっと『れいん坊将軍』劇場版のプレゼンがねじこまれるはず、と確信してます。

ウマ娘
物語としても面白かったけど、考察好きとしてはとにもかくにもあの世界観に食いつかざるを得ない。
劇中に牛乳は出てきたから牛という生物、家畜があの世界にいるのは間違いない。そうなるとさて、馬はどうなんだろう?
ああ、いや違う。馬がいないのに“ウマ”娘って呼称はおかしいから、馬は存在するんだな、たぶん。
でも、ウマ娘がいるから馬は要らないって事にはならないよなあ。人や物を運ぶって用途では、身体が大きい方が有利だろうし。貨客を運ぶ馬車と、郵便物など小物を運ぶウマ娘。うん、成立する。
というか、ウマ娘の優れた身体能力をレースだけに使ってるってのはもったいなさすぎる。「人間と同じ体格で馬と同等の速さで走れる脚力」なんだから、昔はもちろん現代の人間社会でも十分有用な労働力のはず。
……いやそれただの奴隷制だな……。

それはそれとして。
ブロワイエの親指だけでの逆立ち。
あれ『空手バカ一代』でなんかそういうのあったよなあ、しかもなんか早く走れる事も併記して何かの条件だったような、と思い出したのでググる
どうやら引っ掛かってたのは「牛と戦って勝てる条件」だったらしい。親指だけでの逆立ちと100メートルを10秒台で走ることが出来れば、牛と戦っても勝てると。
つまりここから逆算して、あの親指逆立ちは、ブロワイエは100メートルを10秒台で走ってるって意味なのかと思い納得しかけたが、一応確認でググってみたら競走馬クッソ速かった。ブロワイエじゃなくても100メートルを5秒台で走ってた。
じゃあ何だったんだ、あの親指逆立ち。ブロワイエは牛と戦っても勝てるって暗喩か。

つうか、この「人間とウマ娘が一緒にいる世界観」は面白いから、続編作って欲しい。でもこのまま競馬を題材にするといろいろややこしいから、別の馬スポーツ、例えば馬術とかで。
人間の少年をパートナーにして、技の正確さや表現力を競って馬場を縦横無尽、華麗に鮮烈にステップを踏むウマ娘たち!
……うん、コレ『ボールルームへようこそ』だな?

『HUGキュア』
とにもかくにも、「愛崎えみる」というキャラクターを投入してきたのがもう凄い。
えみる初登場の回では、おいおい王道で優等生のプリキュアシリーズにしてはずいぶんな危険球を放り込んできたなあ大丈夫か?とか、ちょっと半笑いのナメた感じで見てたけど、二回目の登場ではもう、ビーンボールかと思える高さから凄い落差で切れ味鋭く落ちてく謎の魔球をズドンと投げ込まれた感じで、手も足も出ない。
ルールーはもうキャラデザが公開された時点でプリキュアになるのがバレバレって状態だったけど、えみるがプリキュアになるとは、初登場時点で見抜けた視聴者はいなかっただろうなあ。あとから初登場回を見直してみると、えみるに関する丁寧な演出とかで、ただのサブキャラ、単なる主人公妹の同級生ではない?と推測できる部分もあるんだけど、いやアレ初見じゃあ無理です、気づかないですわー。
あと録画で一気見してて気づいたんだけど、ルールー初めてのおつかい(えみるとの初顔合わせ)から二人でプリキュアになって新武器を手に入れるまでの流れが、無駄な話数が一つもなくてビビる。途中にルールーのクライアス社退職エピソードとかファッションショーの回が挟まるから、そのへんで息抜きのお話をひとつ入れてもよさそうなのにそれをせず、全力でテーマ、テーゼを詰めていく。だいたい定石で言ったら、ギャグが過剰気味な初めてのおつかいあたりが息抜き回になるはずなのに、実はそこからが始まりだったという。なんか、天才棋士がまだ中盤なのに終局の形を見据えて一気に、一手の遊びもなく駒を寄せていくような、そんな感じ。なんでそんなに急いでるの?と心配にすらなる。

そして今日の展開。
えみる&ルールーのプリキュア化にキュアブラックキュアホワイトの召喚と、この一ヶ月ちょっとだけでも相当驚かされたけれど、その締めくくりがこれかあ。もういろいろ不穏すぎる。いや、こりゃあまだまだ何かとんでもないサプライズが隠れてるかも。すげえなあプリキュア


まあこんなところで。さあ寝よう。