というか生存確認。
この年末年始は、二冊の短編集を読み継いで過ごして。
一冊目は『フォワード 未来を視る6つのSF』。
二冊目は『吸血鬼は夜恋をする』。
『フォワード』は、科学技術の進歩がもたらす未来がテーマのアンソロジー。一方『吸血鬼』は、およそ五十年前に発刊されたアンソロジーの文庫化。温故知新。
『フォワード』は六作品収録だけど、長めの中編ありピリッと締まった短編あり、テーマも様々で収録作の少なさを感じさせないほどバラエティ豊か。
『吸血鬼』は元々収録作は多いところに、今回の文庫化にあたって加えられた作品も多くて弾数は豊富。いずれもコンパクトにまとまったショートショートながら、いかんせんどの作品も執筆時期が半世紀以上前なので、作品の内容や訳文に古さを感じるのは否めない。「このオチ、別の小説で読んだことあるな?」的なのもあるし。が、いくつかの作品は舞台を現代にもってきても通じそうなのとこが興味深い。『世にも奇妙な』の原作に使えそう。
まあそもそも短編集は好きなんですけどね。ひとつの本(パッケージ)にいろんな味を詰め合わせってとこが。創元から出た海外SFアンソロジーも買いまくったし。
『スタートボタンを押してください』(ゲームSF傑作選)
『この地獄の片隅に』(パワードスーツSF傑作選)
『不死身の戦艦』(銀河連邦SF傑作選)
『創られた心』(AIロボットSF傑作選)
『黄金の人工太陽』(巨大宇宙SF傑作選)
最後の“巨大宇宙SF”て何やねんwと思われるかもしれませんが、要するに大風呂敷のスペースオペラ。頓狂な世界観と超便利なガジェット、くそデカい建造物&宇宙船、なんか奇天烈な強敵と、もっと奇天烈な主人公が最高に奇天烈な相棒をしたがえて宇宙狭しと繰り広げられる冒険譚。
そういう意味で『黄金』のトップバッター、『時空の一時的困惑』がメチャクチャ面白かった。なんか固そうな題名だからハードSF寄りなのかな?て先入観を軽やかに裏切って、『ダーティペア』に始まる純日本アニメ系SFの正統後継者的なバディものスペオペだった。ただし、キャラの言動や世界観は『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』+『宇宙パトロールルル子』的なハチャメチャw いやこれはぜひアニメ化すべき。ホール&オーツに誓って。