ゴセシケラボ

合成神経細胞群塊研究所電信網分室。嘘。文庫本とか漫画とかアニメとか。あと『セブンズストーリー』。

生きてる ただその実感が欲しかった

さらに、今さら七~九月のアニメの感想とか。

デカダンス
この夏の良質SFアニメ・その一。
このアニメはこういう世界だよって丁寧に描いた第一話を、その終わりのどんでん返しで一気にひっくり返したインパクトと潔さにまずやられた。
で、そのどんでん返し、「主人公Aの置かれた環境が、高次存在である主人公Bたちによって管理干渉される箱庭世界」ってとこがちょっとグレッグ・イーガンっぽいなと思ったんだけど、話が進んだら、イーガン的に小難しいところはさておいてむしろアクションとエンタメに徹した作品だった。そこも好印象。
主人公Aがいわゆる元気系美少女キャラだけど片腕が義手だったり、元ゲーマーで人生に疲れたおっさんである主人公Bが実は真の主人公だったりと、いろいろチャレンジャーというかテンプレを微妙に外してくるとこも面白かった。

A.I.C.O. Incarnation』
この夏の良質SFアニメ・その二。
万能生体素材、通称「マター」が引き起こした大規模バイオハザード「バースト」。この「バースト」に深く関わる少年少女たちの物語。
マターを始めとして絵になるガジェットが多数登場し、それを活かしたアクションも豊富で、見ているだけでも楽しいアニメだった。物語の方もちゃんとSFしてたし。
ただ、あの終わり方はちょっと甘すぎかなあ。バーストは終息したけどマターに関する風評被害はまだまだ強そうな社会で、マター製義体で身元の怪しい少年少女が生きていくのは難しそうだし。もっとビターな終わり方、例えば二人のうちどちらか、あるいは二人とも命を落とすような終わり方でもおかしくなかっーー
と、ここまで考えて閃いた。「もしかして『A.I.C.O.』って『ゴセシケ』の本歌取り、あるいはアンサーソングなのか?」
ゴセシケとは正確には作品のタイトルではなくて、『合成怪物の逆しゅう』や『合成脳のはんらん』などの邦題で知られる海外SFに登場するガジェット。正式名称、合成神経細胞群塊。略してゴセシケサボ。さらに縮めてゴセシケ。そしてお察しの通り、このブログのタイトルの元ネタ。
さてこの『合成怪物』、古い作品ながら名作としてしられており、詳細は省くけど
1:ディストピアSFとしてわりとハードな内容
2:人工生命ゴセシケのビジュアル(子供向けの全集なので挿し絵が多い)
3:美しくも悲しいラストシーン
以上が評価ポイント。
こうして見ると、『合成怪物』と『A.I.C.O.』の共通点としては「生体素材」ってガジェットくらいしかないな。でも『合成怪物』のラストシーンが、まあご想像の通りビターながらロマンチックなアレで。『A.I.C.O.』の終わり方とは真逆なんですよ。しかも、『A.I.C.O.』も実は『合成怪物』と同じ終わり方しそうな流れを、ギリギリで思い直して回避してて。
まあ、言い出しておいてなんだけど、本当に『A.I.C.O.』が『合成怪物』を下敷きにしているのかどうかは作った人にしかわからないのでこれ以上は藪の中。それとも、もう言及されてたりするのかな。あとで調べてみよう。

『天晴爛漫!』
この手の幕末×西部劇というかサムライ・ウェスタンな作品て周期的に出てくるよね、という書き出しを考えていたんだけど、いや周期的というほど多くないな、とすぐに気づく。実際、思い付いたサムライ・ウェスタンも映画『イースト・ミーツ・ウェスト』だし。ずいぶんと昔じゃねえか……ハハハ
そんなサムライ・ウェスタンでキャノンボール・レース。かなり面白かった。が、同じ題材の『スティール・ボール・ラン』もそうだったけど、レースで始まってもレースのままじゃ終わらないのがままならない。どうしてもレース以外の要素で勝負を決する流れになるんだよねえ。それが悪いとばかりは言えないけれど、たまには純粋にレースに徹するパターンも見てみたい。

『放課後ていぼう日誌』
女子高生の部活もの・マイナー系。ていうか、試合とか大会があるわけじゃなし、文化系みたいに作品作成や学術研究するでもなし、これ部活でもなんでもねえな。
とはいえ面白かった。コメディとしては鉄板だし、釣りの部分は真剣だし。

『宇崎ちゃんは遊びたい!』
原作は未読だけど、ネットで触れた断片的な情報でなんとなくは察せられて。その推察と大きくは変わらない内容だったかな。なんかもう全編通じて薄い本の導入部みたいなお話で。
ただ、独り映画で大笑いしてたのだけはちょっと許しがたいレベルでイラッと来た。いや、俺も以前はよく独り映画してたもんで。

『恋とプロデューサー~EVOL×LOVE~』
乙女ゲーアプリ原作。全然情報がない状態で視聴したので、テレビ製作×イケメンなお話かと思ったら、超能力×イケメンだったのには心底驚いた。

モンスター娘のお医者さん
ここまでタイトルが似てるんだから『モンスター娘のいる日常』のスピンオフかな?と思ったら、全然関係ないらしい。つまり「モンスター娘」ってフレーズは、もう一般名詞くらいに浸透してるって事なのか。
お話の方はまあ順当。医療がテーマなので、モン娘たちの生態と疾病、その治療法まで考え出さなきゃいけないってのはなかなかしんどいよなあ。

ジビエート』
正直、この作品については厳しい言葉しか出てこないんで感想はスルーするつもりだったんだけど、最終回が物凄かったんで備忘録として書き残す事にした。
令和の『極道忍者ドス竜』、21世紀の『ラジカルフィスト』だった。